2023年4月、元ジャニーズJr.の岡本カウアンさんが行った性被害についての暴露会見。
その会見報道を受け、翌月5月14日にジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子社長が謝罪に関する会見と文書を公開しました。
大きく注目されていたジャニーズ事務所の性加害問題ですが、事態が少しだけ前進しましたね。
ようやく動き出したわけですが、この一連の騒動で、カウアンさんの行為が売名ではないかと批判されています。
この記事では、岡本カウアンさんの行動が売名ではない4つの理由についてまとめてみました。
岡本カウアンの暴露会見が売名と批判されるワケ
ジャニーズ時代の性被害について、かなり生々しい体験を告白した岡本カウアンさん。
4月の会見に至るまでに相当の勇気と覚悟が必要だったと想像できるわけですが、この行為が売名ではないか、と大きく批判されています。
その理由がこちら。
●悪名高い政治家と接点がある
●嘘をついたツイートをしたことがある
●過去の態度が悪い
など
ジャニーズ事務所を去って6年という月日を経てから告発するのではなく、本当に告発したいのであれば、退所してすぐにするべきではないか、なぜ今なのか、という意見があります。
また、国民から信用を失ってしまった政治家と接点があったり、他人を騙すようなツイートをした事実があれば、批判の対象になるのもやむを得ません。
さらに理由としてあげられた“態度が悪い”ということ。
周囲に合わせ、個性を出しすぎることを良しとしない日本の古い価値観のもとでは、カウアンさんの言動はやや自由奔放に映るかもしれません。
岡本カウアンの行動が売名でない4つの理由
上で挙げた数々の行為や事実から、カウアンさんが行ったことは売名に当たると解釈することもできます。
ですが、事務所を退所してすぐ告発するのは、加害者との関係や気持ちの面を考えると難しかったのではないか、と推測することもできます。
事件のあと相応の時間が経って、やっと誰かに言えるようになる、ということはありますよね。
やっと今の時期に告白できたわけですが、本当に売名行為といえるでしょうか。
ここでは、売名行為ではないと思われる理由についてみていきます。
【理由1】悪いイメージが付いたアイドルは使いにくい

引用:Twitter
今回のようなセンセーショナルな会見を行うことで、“岡本カウアン”という名前は、ジャニーズファン以外の人にも名前が知られることが増えるかもしれません。
明るい出来事やポジティブな話題であれば、ドラマの出演や歌番組、コマーシャルなどテレビ出演も増えるかもしれませんが、今回の内容は、過去に本人が受けた深刻な性被害。
明るい話題とは正反対で、逆にマイナスイメージしか残らないのでは、と思うのです。
売名であると批判的な声が多い一方で、むしろ逆ではないか、芸能界に居場所がなくなるのでは、という声もあります。
なんとかカウアン、売名言われてるけど逆にこれで芸能界に居場所なくなると思う。
本当だとしても腫れ物扱い、起用しても炎上とかアンチに作品の評価下げられる心配とかあるからこの子使う企業無くなると思う。
それ考えると今後の人生ハードモードにしてまで暴露したのは評価するべきかと
@dddddiictator/Apr13,2023(Twitterより引用)
「日本のメディアはおそらく報道しない、海外メディアに取り上げてほしい」という覚悟を持って臨んだ会見。
カウアンさん自身、いろんなマイナスの影響を考慮した上で、それでも実名で会見を開いたと言えるのではないでしょうか。
【理由2】会見に至った理由が受け身であった

引用:Twitter
理由の2つめとしては、4月の記者会見に至った過程は自ら進んでではなく、“他者からの助言”がきっかけになったと言います。
僕はずっと長い間、自分の気持ちに嘘をついてきた。
周りの人から嫌われたくなくて、本音を出すことなく、うんうん、と頷いてきた。
でも、それがとてもしんどかった。
これからは、他人に嫌われたっていい。
自分の気持ちには嘘はつかないと決めた。ガーシーさんとの対談では、もともと性被害について話すつもりはなかった。
自分がなぜ事務所をやめたのか、その経緯をしゃべるだけだった。けれど、自分の中で、嘘をつきたくない気持ちが大きくなってきて、はじめて被害があったことを認めた。
そして、BBCと週刊文春から取材や記者会見の提案があり、素直になりたい一心で向き合った結果が今に繋がっている。
(引用:カウアンオカモト公式YouTubeより要旨抜粋)

引用:カウアンオカモト公式YouTube
もともとは、性被害について公にするつもりはなかったとカウアンさん。
被害を告発したことにより、
なんで公表しちゃったの?言わないで。
売名やめろ。
と、カウアンさんの心情とは全く異なる意見や批判が届くようになります。
ですが、4月の会見に至った経緯を一つひとつ紐解いていけば、決して売名が理由ではなかったことがわかります。
【理由3】嘘のないエンターテインメントを作りたい
売名でない3つめの理由は、嘘のない真のエンターテインメントを作りたい!という熱量が高まったから。
カウアンさんの中には、
・アイドルではなくアーティストになりたい想い
・自分の気持ちにずっと嘘をつき続けている違和感
が長年あったと言います。
その辛さから精神的な病気になったことも。
素直にならないと、本当に大切にしてくれる人に出会えない。
嘘ついてエンターテインメントやって、誰がそれに感動するの?(引用:カウアンオカモト公式YouTube)

引用:カウアンオカモト公式YouTube

引用:カウアンオカモト公式YouTube

引用:カウアンオカモト公式YouTube
「素直になれない心境では本当のエンターテインメントは作れない」と信念を語ったカウアンさん。
アーティストはじめ、表現者は“魂から表現しているかどうか”が人の心を動かす原動力になりますよね。
この発言から、カウアンさんがただ自分の気持ちに本当に忠実になった結果、今の行動に繋がっていると言えるのではないでしょうか。
【理由4】法改正を訴えた
売名でない4つ目の理由としては、法改正を訴えたから、です。
5月16日、元ジャニーズJr.の橋田康さんとカウアンさんは国会を訪れ、立憲民主党のヒアリングに応じました。
ヒアリングでは法務省や警察庁など関係者が同席。
これまでの経緯を説明し、児童虐待防止法の法改正を訴えました。
被害者が怖がるんじゃなくて、加害者が怖がるような法律を作るのはすごく大事だなと思います
(引用:TBSテレビ公式YouTube)

引用:TBSテレビ公式YouTube
ヒアリングではこう訴えたカウアンさん。
この訴えの数か月前、たった一人から声を上げたことが、仲間の共感を生み、法改正に向けた大きなうねりを作ったわけです。
本気で現状を変えたいと思ったからこその行動ですね。
岡本カウアンが訴える性加害問題の焦点
この性加害問題は、
「売名行為はやめろ」
「告発にあたっても態度が悪い」
「嘘つきの人が言うことは信用できない」
といったレベルでの話ではありません。
問題の本質は、
●性犯罪の疑いがある大手企業をメディアはどう扱うのか
●この問題に対し国はどう動くのか
にあるわけです。
ジャニーズ社長が問題の重要性を受け止め、社会全体の風潮が変わり始めた今。
ようやく事態が動き出したと感じたカウアンさん。
これからの焦点は、
だけだと発言されています。
多方面から、応援や批判を受けながらも、自ら信じることを実行できることは素晴らしいことですね。
『その人がどんな人間かを見るには、その人の行動を見るのが一番』
よくこう言われますが、カウアンさんの行動はまさにこの言葉を体現しているのではないでしょうか。
カウアンさんの一連の行動を見ていると、社会問題を大きく変えるにも、小さなきっかけ一つから、ということがよくわかります。
今後の展開も注意深く見守っていきましょう。